2023年の抱負「繋がりの場を創り、さらに繋がりを導くことの大切さ」

JASCC.ORG代表理事
菊池 純一
(青山学院大学名誉教授)

 明けましておめでとうございます。協創&競争サステナビリティ学会を創設して、3年目の年となりました。まだ、ヨチヨチ歩きの赤子に過ぎないと思っていたのですが、学会誌『場の科学』は通巻第6号を発刊する準備が整い、創刊号から第5号までの累積頁数は557頁となりました。また、隔週発信している『週間ジャスコ―グ』も76号を迎え、さらに、電子書籍『智恵の袋C2C』(2022)を出版するに至りました。

 学会HPによる情報発信においても、研究分科会『Zealand』の三分野(安全・安心分野、資源循環分野、esca分野)による多彩な活動成果の報告がなされ、コラム『協創&競争』も15編を数えるに至り、さらに、各地で活躍する元気「CxO(組織活動の立役者)」たちとの繋がりを創り出す『サステナブルだーつ』も、まだ国内にとどまってはおりますが、近々、海外で活躍する方々のご紹介も始まります。

 自負するつもりはありませんが、事務局の予測不能な雑用をさらりと咀嚼してくれた諸氏、メルマガ記事ネタを考えてくれた学会員有志、研究論文の投稿査読を真剣に受け止めてくれた査読委員の諸氏、学会誌編纂の複雑な作業を不平も言わずに受け止めてくれた方々、そして、学会HPの役割が増えたにもかかわらずそのことを飲み込んでくれた面々、このような学会スタッフに恵まれたことを嬉しく思い、そして、頼もしく思っています。彼らの情熱に感謝いたします。

 今を生きる私たちは、真実を突き止めることのエネルギーを失ってはならない。学問の探究を偉そうなアカデミアの専門家に任せておく時代は終焉しております。専門家が創り出す難しい理屈や難解な用語をより平易な言葉で噛み砕いて、多くの方々に知らせ、新たな智を創発することを始めるべきであると思います。新しい繋がりの、さらに、繋がりを創り出すことは容易ではありません。しかし、本学会は、その「繋がりの繋がり」の一助になり得ると思います。まだ、小規模ではありますが、そのネットワークは累乗倍になるはずです。

 今年は、総合知(知財の束)を再編する「場」を提供することも計画しています。また昨年同様、高校生や大学生の会員に必要な「智の軸足を強めるための場づくり」も継続します。研究分科会『Zealand』(科学の情熱大陸という意味)の活動については、昨年に増してさらに幅広く、そして、深掘りをして、その活動の成果を二次的に、三次的に共有できるように努力いたします。多くの方々の協力・協賛・協調をいただければ幸いです。

2023年1月1日記

プロフィール

菊池 純一
菊池 純一
一般財団法人知的資産活用センター理事長(青山学院大学名誉教授)

社会活動としてはNEDO-TSCフェロー、NITE評価・諮問委員、一般財団法人知的財産研究教育財団評議員など。科学技術の知的資産利活用に関する戦略設計の専門家。『場のイノベーション』(中央経済社)など著書、論文多数。