2022年の抱負「三つの力を合わせて場を創り、互いに競うことの大切さ」JASCC.ORG代表理事 菊池 純一(青山学院大学名誉教授)

菊池 純一

 明けましておめでとうございます。協創&競争サステナビリティ学会を創設して、早、1年が過ぎました。まだ、ヨチヨチ歩きの赤子に過ぎないアカデミア組織ではありますが、この間、学会誌『場の科学』は第3号を発刊する準備が整い、創刊号から第2号までの累積頁数は252頁となりました。また、毎週発信している『週間ジャスコ―グ』は、昨年大晦日にて、49号を迎えるに至りました。

 学会HPによる情報発信においても、研究分科会『Zealand』の三分野(安全・安心分野資源循環分野esca分野)による多彩な活動成果の報告がなされ、コラム『協創&競争』も12編を数えるに至り、さらに、各地で活躍する元気な「CxO(組織活動の立役者)」たちとの繋がりを創り出す『サステナブルだーつ』も少しずつ充実してきました。

 自負するつもりはありませんが、事務局の予測不能な雑用をさらりと咀嚼してくれた諸氏、毎週のメルマガ記事ネタを考えてくれた学会員有志、研究論文の投稿査読を真剣に受け止めてくれた査読委員の諸氏、学会誌編纂の複雑な作業を不平も言わずに受け止めてくれた方々、そして、学会HPの役割が急速に増えたにもかかわらずそのことを飲み込んでくれた面々、このような学会スタッフに恵まれたことを嬉しく思い、そして、頼もしく思っています。彼らの情熱に感謝します。

 今の日本は、そして、今を生きる私たちは、真実を突き止めることのエネルギーを失ってはならい、そのように考えます。学問の探究を偉そうなアカデミアの専門家に任せておく時代は終焉したと考えています。専門家が創り出す難しい理屈や難解な用語をより平易な言葉で噛み砕いて、理解することを始めるべきであると思います。新しい繋がりが生れるはずです。

 本学会は、その「繋がり」の一助になることを草案し立ち上がりました。まだ、小規模ではありますが、そのネットワークは累乗になるはずです。まだ知り得ぬ新たな会員との繋がりの場を繋げてゆくことが今年、2022年の計画でもあります。また、若年の求道者と熟年の智者との繋がりの機会、例えば、高校生に必要な「智の軸足」を強めるための「場づくり」も予定しております。研究分科会『Zealand』(科学の情熱大陸という意味)の活動については、昨年に増してさらに深掘りをして、情報を必要としている集まりに直接届くような試みを企画し、その成果を共有するように努力します。多くの方々の協力・協賛・協調をいただければ幸いです。

2022年1月1日記

JASCC.ORG代表理事 菊池 純一(青山学院大学名誉教授)

プロフィール

菊池 純一
菊池 純一
一般財団法人知的資産活用センター理事長(青山学院大学名誉教授)

社会活動としてはNEDO-TSCフェロー、NITE評価・諮問委員、一般財団法人知的財産研究教育財団評議員など。科学技術の知的資産利活用に関する戦略設計の専門家。『場のイノベーション』(中央経済社)など著書、論文多数。