CxO発信サステナブルだーつ/(株)ぬちまーす

今回のサステナブルだーつスポット(取材先)

地域沖縄県うるま市
名称(株)ぬちまーす
ホームページhttps://www.nuchima-su.co.jp/
CxO高安 正勝 社長(CEO)
キーコンセプト#「海」をそのまま抽出する技術 #生命を育む塩 #人類の救済が使命
現在の業態高純度塩の製造販売、塩を活用した菓子・化粧品等の開発
取材日時2020.11.26

専売制度廃止を契機とし、1978年創業の「経緯」を高安正勝氏に聞いてみた・・・・

高安 正勝 社長(CEO)
ミネラル群を含む塩の粉が降り積もる工場内
会社の下に広がる、原料の海水をたたえる海原
オリジナル商品「ぬちまーす」

 92年間続いた塩の専売制が1997年1月4日に廃止され、塩の生産と取引が自由化された。このニュースを聞いた瞬間に、高安正勝社長の頭に海水成分の最適な抽出法がひらめいた。それは、不純物のない海水から、水分だけを取り除いた自然そのままの「塩」、つまり生命にとって最適なミネラル群を有する「命の塩」をとりだす方法である。「常温瞬間空中結晶製塩法」がそれであり、同年4月に特許出願され、翌98年に事業を開始した。
 早々に発明が事業開始へと繋がった要因は、学生時代から専攻してきた生命物理を通して得た人体とミネラル成分の関係に関する知識と、蘭栽培という前職で習得してきた瞬間水分蒸発機の開発体験である。
 かねてから、現代人の病理の根幹がミネラルバランスの欠如にあると理解してきた高安氏は、その問題解決が大きな社会的課題であると考えてきた。

「海」をそのまま抽出する技術・・・

 海水は、太古より生物の命を育んできたもので、それは生命体にとって長い故郷であり続けている。母胎が妊娠したとき、海水と同じ成分を持つ羊水が稚児を包むのも、自然が織りなす生命保護の現象である、と高安氏は語る。そのため、できるだけ自然な海水に含まれた成分を抽出し、生命にそれを注ぎ入れることが大切という。
 しかし過去も、現在も、海水から成分を抽出する方法としては、濃縮した海水を釜ゆでにする方法が用いられてきた。濃縮、水蒸気沸騰等の過程が多く、熱衝撃が大きいほどミネラルと他物質との化合が盛んになり、ミネラルが化合物化してしまい、生命にとって理想的なミネラルイオン群(OIMs)が得られなくなる。釜ゆで(煮釜)の過程では、マグネシウムをはじめとした多量のミネラルがニガリに含まれた状態で除去されてしまうと同時に、過飽和に達しないためにマンガン、銅など極微量のミネラルはニガリに溶けた状態で完全に消失してしまう。また、マグネシウムは過飽和になると結晶化しNaClの結晶とともに塩に析出する。煮釜式による塩には、少量ながらマグネシウムが含有されるが、微量・極微量ミネラルは結晶化しないためニガリと共に塩から除去されてしまう。
 できるだけ自然な海水の持つ成分を抽出させる方法として、「常温瞬間空中結晶製塩法」が開発された。海水を極力微細な噴霧状の海水滴へと変化させ、加温しすぎずにその海水滴から水分のみを放出させる技術である。水分が放出された後のOIMsは、パウダー雪のように工場の床に降り積もる。
 「ぬちまーす」とは、「命の塩」という意味を沖縄の言葉で表したものである。「ぬちまーす」に含有されるミネラルの種類の数は世界最大であり、当時、ギネスブックに掲載された。

社長と従業員の目標・使命・・・

 「人類を救済すること」が、社長自身の、また社員全員の目標であり、使命であると真剣に考えておられる。育児放棄、児童虐待など、現在起きているさまざまな社会問題は、そもそもは母親自身の体内のミネラル不足とアンバランスによる心身への影響が大きく関係している、という。また、適切なミネラル群を摂取することの重要性自体が、いまだ社会の共通認識となっていない。その点の科学的解明と、啓蒙も重要である。
 現在発生している各種の犯罪には、当事者の精神的不安定さを要因とするものが多いという。こうした精神的不安定さ、各種生活習慣病、さらには生理痛といった現象なども、ミネラルバランスと大きな関連を持っているのではないか、と高安社長は推測しておられる。ミネラルの不足した食生活によってもたらされた現代病とも言える。それらの医学的解明と併せて、より根本的な原因探求と解決手段の解明を目指すことが、人々の安定した、幸せな生活のために非常に重要と考えている。
 「ぬちまーす」に含まれるミネラル群、つまりOIMsの摂取を通して、今日発生している様々な身体的、精神的不調を取り除くことで、多くの社会問題を解決し、人々に幸せな生活を提供していくことが自分たちの使命である、と・・。

(取材: 2020.11.26, 石井康之)

プロフィール

石井 康之
石井 康之
IP経済研究所 所長、公立諏訪東京理科大学嘱託教授、工学博士

一橋大学経済学部卒業後、東京海上火災保険(株)(現在の東京海上ホールディングス)に入社。営業、営業企画を経て、(財)知的財産研究所に出向。その後、グループ内知的財産マネジメントを統括する。その後、東京理科大学教授に就任。知的財産経済論、知的財産評価などを講義。2016年にIP経済研究所を創設し、現在に至る