2024年の抱負「繋がりの場を刷新し、新たなイノベーションの芽を」

JASCC.ORG 代表理事
菊池 純一
(青山学院大学名誉教授)

 明けましておめでとうございます。協創&競争サステナビリティ学会を創設して、4年目の年となりました。学会誌『場の科学』は通巻第9号を発刊する準備が整いつつあります。また、隔週発信している『週間ジャスコ―グ』も102号となり、さらに、昨年に引き続き電子書籍『智恵の袋C2C』(2023)を出版する準備も順調に進んでおります。

 学会HPによる情報発信においても、研究分科会『Zealand』の三分野(安全・安心分野資源循環分野esca分野)による多彩な活動成果の報告がなされ、かつ、多くのアーティストとのコラボレーションも進展しました。なお、コラム『協創&競争』も15編を数えるに至り、さらに、各地で活躍する元気な「CxO(組織活動の立役者)」たちとの繋がりを創り出す『サステナブルだーつ』も、まだ国内にとどまってはおりますが、近々、海外で活躍する方々をご紹介する企画も始まります。

 このような多岐に渡る学会活動を支えてくださった方々に、お礼を申し上げますと同時に今年も引き続き、ご支援とご助力、さらに、ご理解を頂けますことを期待しております。

 昨年2023年は、大きな変動の時節でもありました。特に、アジア大陸を核にしてグローバルな地政学的変動が起き、更には、その大陸の東の端にある島国の日本では、人口減少社会が多様化しつつあります。今を生きる私たちは、改めて、社会システムの中で「うごめく虫」のようなモノ・コトの実態を突き止めるため、科学の目線を研ぎ澄ます必要があると考えます。

 科学技術の進展は、「うごめく虫」のような道具を作り出します。世の中に新たな道具が出回るコトは、決して、ネガティブなのコトでは無いのですが、それらの道具の使用を支える社会の基盤、例えば、使い方のルールなどは、必ずしも、新しい道具に相応しいモノであるとは限りません。また、道具を使う者たち(モノたち)も、道具の利便性のコトのみならず、危なさや弱さを知っておくコトが大切なのですが、その種のインフォメーションを得られる環境にて生活をしていないコトも多く見受けられます。これらのモノ・コトを科学する目線を育てることも大切であると考えます。

 もう一つ、社会システムの中で「うごめく虫」のようなモノ・コトに、「新しい繋がり」があります。むろん、「新しい繋がり」がさらに「新たな繋がり」を作り、拡散するコトも、よく目にするコトです。そのような「変化の波紋のような輪」を作り出す「うごめく虫」を、結果の良し悪しは別の機会に譲るとして、本学会の活動の一環として、作り出してみたいと考えています。

 今年は、昨年の活動を踏まえて、高校生や大学生の会員に必要な「智の軸足を強めるための新たな繋がりの場」を企画します。当学会の研究分科会『Zealand』(科学の情熱大陸という意味)の活動を助成する方法で、「うごめく虫」を作る活動の成果を波紋のように二次的に、三次的に共有できるように努力いたします。その節には、多くの方々の協力・協賛・協調をいただければ幸いです。

2024年1月1日記