CxO発信サステナブルだーつ/(株)デイジー

CxO配信【 サステナブルだーつ】とは?

「協創的競争の場」(‘Ba’Fields of Co-Innovative Competition)では、会社、学校、組合、非営利組織、さらには、他の複合組織が活動する。その活動の要には、「何らかの最高責任者CxO」(Chief X Officer : CEO、CFO、CTOなど)がいる。まずは日本の各地へ旅をして、CxOの者たちから話を聞いてみよう。何を夢みて、何をやろうとしているのか、その汗と涙のひとしずくを切り取ってみよう。

今回のサステナブルだーつスポット(取材先)

地域東京都世田谷区
名称(株)デイジー
ホームページhttps://daisy-co.com/
CxO稲垣匡人 CEO
キーコンセプト#リアルとバーチャルの融合 #チームとしての作家性 #アナログ的な深層心理
現在の業態デジタル・アート、3DCG画像情報処理、映像制作
取材日付2020.10.23

デイジー社CEOの稲垣匡人氏に取材をした。御社の活動領域は?

(展示:2020年10月23日、渋谷ヒカリエ8階、撮影:吉澤)

テクノロジーを使ったアートであり、知的資産を有し展示会等で発信する「ART」、映像、ゲーム、アミューズメント等を制作する「ENTERTAINMENT」、そしてコンセプト創造やプロトタイプを制作する「INNOVATION」の3つで活動しています。「ART」では、アーティストを育てる意識の高い海外のアートディレクター等からお話を戴き、ロンドンデザインフェスティバルやミラノデザインウィーク等に出展しています。「INNOVATION」では大学や企業と研究開発プロジェクトを実行しています。

デイジーはどこに向かっているか?

3つの領域に分けていますが、「ART」と「ENTERTAINMET」との境目とは何か?「リアルとバーチャルの融合」とは何か、二つの境目を繋ぐとは何か?というテーマが全体としてあります。そのため、例えば、他社より優れた表現による作品づくりのために「ENTERTAINMET」で生み出された表現が「INNOVATION」につながることがあるように、各領域は相互作用しています。各領域において「チームとしての作家性」が要求されるということです。いままでもそうですが、これからも、自分が率いるデイジーという「チーム」が作家であると認められ、作品が評価されるようにしたいと考えています。更に「INNOVATION」で実践していますが、作品創作に用いるノウハウや技術は様々な領域に応用可能なので、大学や製造業等とのコラボレーションも増やしていきたいと考えています。これら3つの領域を相互作用させ、好きなことに対しては絶対に負けないという意識で活動していくことでサステナブルを実現したいと思っています。

稲垣さんの「興味」は何ですか?

アートとデジタルテクノロジーを扱っていますが、実はゲーム等にのめり込めないタイプで、物質的なリアルな感覚がしっくりきます。というのも、人間のアナログ的な深層心理が最も重要であると考えているからです。デジタルテクノロジーはビットの塊であり、論理的で矛盾が許されない世界ですが、人間の感覚はアナログ的でシームレスであり、必ずしも理路整然としているものではなく矛盾も多くあります。しかし、いまやデジタルテクノロジーを必然的に用いざるを得ない世界ですから、デジタルテクノロジーで人間の深層心理や矛盾等を表現すること、そして、人の心、作品を観てくれた人の心をどう動かせるのか?どれだけ深い表現ができるのかに興味があります。いままでのアートは一方通行でしたが、デジタルテクノロジーは双方向です。必然的にアートのコンテキストも変わります。テクノロジーと人間性(アナログ的なものや動植物も含む)とを融合させるバランスや融合のさせ方を模索することにますます興味が出てきました。

(取材: 2020.10.23, 今、吉澤)

プロフィール

今 智司
今 智司
今知的財産事務所 弁理士 工学修士 技術経営修士

早稲田大学大学院理工学研究科修了後、電気機器メーカーへ入社。LEDの研究開発を経て知財業界に転職し、弁理士になる。専門分野は、知的財産法、技術経営、無機化学。化学・半導体・IT・ソフトウェア・ビジネスモデル等の分野において主に中小・ベンチャー企業の知的財産の創出・発掘・権利化・利活用を支援している。